こちらの「情熱!U-30」では、長崎で暮らす30歳以下の若者がどのような活動をしているのかを紹介します。
今の若者が熱中していることは何か。
さらに今の若者の価値観なども同時にを知ることができますのでぜひご覧ください!
第2回となる今回は、2020年5⽉からTwitter内に突如現れ、フォロワーが1万⼈を超える、#壁を撮る⼈。アスパラさんへのインタビューです。実際に壁を⼀緒に撮りに⾏って編集なども⾒せてもらいました。どんな感じで壁を撮っているのか。編集しているのか。気になる⽅はぜひ続きを読んでみてください。
#壁を撮る人 アスパラさん
・長崎市出身
・Twitterにて #壁を撮る人 というハッシュタグを用いて、壁の写真を投稿。
2020年12月に初の写真集「壁を撮る人」を発売。
会社員として働きつつ、休日にはカメラを片手にお散歩をしている。
なぜ壁を撮る?なぜアスパラ?様々なきっかけを聞いていきます。
2020年5⽉から突如としてSNSのTwitter内に#壁を撮る⼈として登場したアスパラさん。なぜ壁を撮るようになったのか。そのルーツをお伺いしました。
質問1:壁を撮るようになったきっかけは?
「きっかけは2019年の夏の⼤阪旅⾏です。これまで⻑崎でのんびり過ごしていた私にとって、⼤阪の街は⼈々も建物もとても華やかで、圧倒されたことを覚えています。⼭に囲まれた⻑崎とは対照的に、たくさんの背の⾼い建物に囲まれた⼤阪。そこを歩くのが楽しくて、ずっと上をキョロキョロ⾒ながら歩いていました。はたから⾒れば、とんだ⽥舎者だったと思います。後⽇写真を見返した時に気づいたのですが、⾯⽩いほど建物ばかり撮っていました。旅⾏感あふれる写真をもっと撮れば良かったと思いつつ、撮りたいものが⾒つかった瞬間でもありました。」
アスパラさんの壁を撮るルーツとなった⼤阪の景⾊が⾮常に気になります。旅⾏が終わって、撮った写真を⾒返すと建物の写真ばかりで、その時に撮りたいものが⾒つかったというのもかっこいいですね。今現在でも、壁という1つのテーマで写真を撮り続けているアスパラさん。彼⼥のように何か1つの事象に視点を絞って⾒てみると知らない魅⼒が発⾒できるのかもしれませんね。
アスパラさんにいただいた大阪の写真がこちら
質問2:なぜアスパラ?
「インターネットのゲームをする際にハンドルネームが必要で、その時に家の中を見渡してみるとアスパラガスがあって、それでアスパラガスという名前にしました。SNSをする際には語呂が悪いのでアスパラガス→アスパラに変更しました。」
意外な回答。
アスパラガスが好きとかではなく、そこにたまたまあったからアスパラにしたということでした。まず家の中をみてみるとアスパラガスがあるという状況が⾯⽩い。
質問3:壁を撮る人になっての新たな発見はありますか?
「アスパラさんの趣味は何ですか?と聞かれた時に、写真を撮る事です。と答えるのですが、その次に必ずどんなものを撮っているの?と聞かれるわけです。壁です。と答えると⼀瞬時が⽌まるんです。まずこれが⼀つ⽬の発⾒で、私は⼀瞬時を⽌めることができるんだと。あとは、⼀つの建物でも⾓度や時間帯を少し変えるだけで、全く違った⾒え⽅になるということ。近所の写真ばかり撮っているので、同じ建物を撮る機会が必然と多くなるのですが、撮る度に新たな発⾒があるので、⼀度も飽きたことがないです。」
「どんなものを撮るの?」と聞いて「壁です。」と答えられると確かに⽌まってしまうかも。アスパラさんは時を⽌める能⼒を⼿に⼊れられています。笑
撮るたびに新たな発⾒があり、⼀度も飽きたことがないという回答も壁に魅了されていることが伝わります。
質問4:写真を撮り続けられるのはなぜ?
・SNSの存在
「今から約1年半前、アスパラとしてTwitterアカウントを開設しました。すぐ飽きるだろうと思っていたのですが、そんなことはなくて。好きなフォトグラファーさんを⾒つけて以来ずっと毎⽇投稿を続けています。写真の楽しさと継続するきっかけをくれたと思っています。」
・⼩学⽣の頃鍵っ⼦だったこと
「両親が共働きで帰りが遅かったので、ほとんど毎⽇夜になるまで⼀⼈ぼっちで過ごしていました。なので、学校の帰り道は基本カメさん歩き。ちょっぴり寄り道しては、公園の遊具に⽣えているコケの成⻑を⾒届けたり、道端にあるお花をツンツンしてみたりして時間をつぶしていました。そうして気が付けば、お散歩⼤好き⼈間がここに誕⽣していました。写真を撮りながら⻑時間歩くことが苦痛でないのは、きっとこの経験がきかっけだと思います。」
以上アスパラさんのルーツに関する質問をしました。全ての質問に対して個性的な回答が連発していて⾮常に⾯⽩かったです。続いて、アスパラさんの壁撮りの現場に同⾏します。
撮影はコンデジ。編集はスマホ。
アスパラさんの壁を撮りに行く現場へ同行させていただきました。
まず驚くのが身軽さ、持ち物はコンデジとスマホのみ。
これで撮影から編集までできるというのが驚きです。
キャノンのコンデジがWi-Fi転送機能がないので、SONYと両用。
壁を撮りに街へ
アスパラさんと⼀緒に壁を撮りに街に出ました。
普段、壁に注視をしたことがあまりなかった私には、壁を撮るということが新鮮で、発⾒が多くありました。
壁を撮る中で、「窓は網⼾があったり、光を反射していろんな⾊に変化するから壁を可愛く撮れる。」と⾔われていて、壁をそんな⾒⽅ができるのかと感⼼しました。
撮影前は壁の前にずっと⽴って何枚も写真を撮るのかな。と勝⼿なイメージがあったのですが、実際に同⾏すると、歩く速度はほとんど変えることなく、散歩をしている感じ。あまり⽴ち⽌まらずに写真を撮っている様⼦でした。
話を聞くとほとんどの場合が、1つの壁に1枚写真を撮るだけだそうです。
そんな感じでいい写真が撮れるのか?と疑問に思ったので、撮影中のカメラで撮った写真を覗かせてもらうと、どこでどうやって撮ったんだ!?と驚かされるような写真でいっぱいになっていました。
短い時間で壁が綺麗に撮れる構図を考え撮影する。
アスパラさんの凄さをまざまざと思い知らされました。
撮影後はスマホで壁写真の現像。
壁の撮影が終わり、現像編集作業も⾒せていただきました。
まず、撮った写真をWi-Fiでスマホに転送。
スマホにあるAdobeのアプリPhotoshopとLightroomで編集を開始。
写真の歪みや⾊調整などを⼿際良くどんどん進め、Twitterに投稿できるjpegのデータに現像していきます。
1枚2~3分で仕上げるスピード感はさすがです。
先ほど撮られていた壁の写真がどんどんアスパラさんのテイストに変わっていきます。Photoshopの技術にも驚きます。
使いこなせたらいろんなことに応⽤できそう。
10分程度で8枚ほどの写真が現像されました。
このように毎週1~2回、街中にコンデジ⽚⼿に出て、2時間ほど壁の写真を撮り、家に帰って現像をして、Twitter⽤に1⽇1投稿4枚1セットの写真をあげているそうです。
⼀緒に回ってみて、作業効率の良さが際⽴っていて、圧巻でした。
毎⽇壁の写真を1投稿できているのもこの作業効率とコンデジとスマホさえあれば、いつでも撮影にいけるという⼿軽さがあってこそなんだと学べました。
当日に撮影、現像された写真がこちら。
素敵な壁の写真が完成されました。
写真の投稿は19:02。
アスパラさんの毎日のTwitterでの投稿は19:02と決まっているそうです。
毎日の投稿時間を決めることで見てくれるフォロワーさんに覚えてもらいやすくなる。また19:00が他の方々の投稿が多いのでそこに合わせているということでした。SNSにもただ上げるではなく、フォロワーさんのことを考えて投稿をしていることもすごいですね。
アスパラさんの価値観を知るために「エンゲージメントカード」
ここまではアスパラさんの壁を撮る人になったきっかけや実際に壁を撮りに行く現場に同行して、多くの発見をしてきました。続いてはこの情熱U-30の企画では恒例にしようとしている価値観を知る「エンゲージメントカード」を行います。アスパラさんがどんな価値観を大事にしているのかに迫ります。
悩みながらもどんどんカードを選定していくアスパラさん。「リーダーシップ」や「ステータス・地位」、「勝利」といったようなカードが秒速で捨てられていました。そのような価値観はあまり自分には必要ないという考えであることが見受けられます。このカードゲームは相手がカードを捨てるスピードなども観察するとより面白いです。
3つの価値観「正直」「謙虚」「尊敬」
10分ほどこちらのカードゲームを行い、選ばれた3つの価値観がこちら「正直」「謙虚」「尊敬」。その3つを選んだ理由を簡潔にお答えいただきました。
正直
嘘をつくといつかバレた時にめんどくさいので正直に生きたいと思います。
謙虚
偉そうにするということは性格上できないし、自分の意見を押し付けるより人の意見を聞いて取り入れるような態度が欲しいと思うから。
尊敬
人の人格を認めることから、いろんなことを学んだりすることができると思うので尊敬という価値観を大事にしています。
アスパラさんの大事にしている価値観の中には自身の能力に驕らず、いつでも学びを得るために必要な要素が並べられていると感じました。人の大事にしている価値観を知ることで個性がみられて面白いです。
価格自由な写真集を出版。新たな挑戦。
最後に、アスパラさんがTwitterフォロワー1万人を達成したことで写真集出版という新たなチャレンジを行われているので紹介します。
写真集の名は「#壁を撮る人」
この写真集。通常の写真集とは購入の仕組みが大きく異なります。
通常の写真集は「買う」→「手に入れる」→「読む」という流れになると思いますが、
この写真集は「手に入れる」→「読む」→「買う」という流れになります。
さらに購入価格などの決まりはありません。
読者が思う価値をアスパラさんにお支払いするという仕組みの価格自由な写真集なのです。
購入価格が1000円につき1冊の増刷となるため、「アスパラさんの写真集をより多くの方に広めたい!」や「アスパラさんの活動を応援したい!」と思われる方が増えれば増えるほど、ひたすら増刷される写真集になっています。
こちらの出版の様子が気になる方や実際に写真集を手に取りたいという方はアスパラさんのTwitterから動向をチェックしてみてください。
本の新しい出版方法でチャレンジしているアスパラさんの今後に注目です。