MY ROOTS 〜あなたの人生を深掘りさせて下さい〜
誰にでもある、過去から今に至るまでの物語。
「人」にフォーカスし、人生のROOTSを探ることで見えてくるその人の考え方や生き方は
誰かの生きる糧にもなるはず。
「長崎の人」のROOTSを一緒に探しましょう。
MY ROOTS 第2弾の 「人」 はこの方です。

野口恵央さん
野口恵央(のぐちけいおう)さん
有限会社野口陶器店(長崎市築町) を営む野口家の長男として生まれる。
現在、野口陶器店取締役。
長崎と東京を行き来しつつ「grace3」の店舗運営と、オーダースーツの会社(東京都)の経営を両立。
次男:皓州 三男:大元の兄弟と共に「grace3」の店舗運営を行う。

grace3(グレイスリー)
2024年5月に野口陶器店の店舗をカフェにリニューアル。カフェ空間で陶器や雑貨などに触れることができるお店として人気に。
住所:長崎県長崎市築町1-14 野口ビル
営業時間:10:00-22:00
営業日はgrace3のインスタグラムでご確認ください。

今回、インタビューに応えて頂くのは野口陶器店長男の野口恵央さんです。
本日は宜しくお願い致します。

宜しくお願い致します。


野口さんのご実家は、こちらの店舗の場所なんですか?

そうです。このお店が実家です。野口陶器店は父が3代目で、創業して今年で94年になります。

今はお店が新しくなっていますが、こちらは野口さんが経営されているんですか?

お店は弟たちと3人で営業しています。2024年の5月にリニューアルオープンしました。お店の名前はgrace3と言います。


三兄弟で経営されているのは珍しいですね。仲が良いですね。

そうですね。昔から兄弟は仲が良くてほとんど喧嘩したことないです。

お店にいると、ご兄弟の仲良しな雰囲気が伝わってきます。
野口さんのご両親はどんな人ですか?

親は一言で言うと優しいです。昔から怒られたことがないですし、私たちがやることをいつも応援してくれます。
幼少期に始めたサッカーとの出会い。

そんな優しいご両親と仲の良いご兄弟に囲まれて、野口さんはどんな幼少期を過ごされたんですか?

小学4年生の時にサッカーを始めました。諏訪小学校に通っていて諏訪スポーツ少年団に所属していました。

サッカーは何がきっかけで始めたんですか?ご両親の勧めですか?

両親の勧めではなく、クラスの半分ぐらいの友達がサッカーを始めたので、自然と所属しました。


サッカー以外に習い事などはしていなかったのですか?

サッカーだけでした。毎日、放課後は練習していました。週末は試合などがあったのでほとんどの時間をサッカーに費やしていました。

サッカー以外で遊ぶ時は何をしていたんですか?

遊びもサッカーでした。仲間と公園に行ってサッカーをしていました。

サッカー漬けの日々だったんですね。弟さんたちもお兄さんの影響でサッカーをされていたんですか?

弟たちも小学校に入って2年生とか3年生ぐらいで始めましたね。弟たちもサッカーが上手かったので上級生に混じって試合などにも出ていました。

ちなみに勉強の方はどうだったんですか?

苦手でした。
中学生時代—————

中学生になってからもサッカーは続けたんですか?

はい。桜馬場中学校に入学してサッカー部に入りました。

将来はサッカー選手になりたいと思わなかったのですか?

小学校の卒業文集にはサッカー選手と書いてましたが中学生になると少しその気持ちが薄れていた気がします。やっぱり中学生になると周りとのレベルの違いなどが出てきました。
おしゃれな先輩に憧れ、ファッションの世界に興味を持った

思春期は恋愛などには興味はなかったのですか?

お付き合いしている人はいました。その他に興味を持ったのはファッションでした。

ファッションは女の子にモテたいと思ったから興味を持ったんですか?

違います。単純におしゃれだなと思ったんです。
ファッションセンスが高い先輩に憧れていて、その人を見てかっこいいなと思ったので、その頃は洋服などに興味を持っていました。


中学生だと、お小遣いもあまりないので洋服を買うのも大変だったんではないですか?

そうですね。私の場合はお年玉を貯めたりして年に数回、ほしい服を買っていました。当時、行きつけの洋服屋さんに行って店員さんと仲良くなって色々とファッションの事を教えてもらっていました。買い物に行くというよりは店員さんと話しに行っていましたね。
名将の小嶺監督を追いかけ高校進学。名将からの教えを今も胸に。
高校時代——————–

中学生でサッカーとファッションにのめり込んだ野口さんは、サッカーが強い高校に行かれるんですか?それともファッションに繋がる高校を選んだのですか?

高校は長崎総合科学大学附属高校(以下:総附)に入学しました。
総附を選んだ理由は、名将の小嶺忠敏氏が監督に就任するのでサッカーを学べると思ったからです。
小嶺忠敏:全国高校サッカー選手権大会6度優勝。その他、数々のタイトルを獲得し、多くのプロサッカー選手を輩出させた、長崎の高校サッカー界を代表する名監督。2022年1月7日76歳で逝去。

小嶺監督はとても有名な監督だったので私も知っています。やはり練習は厳しかったですか?

そうですね。厳しかったです。ひたすら走らされていました。高校から結の浜というビーチまで往復10キロを毎日のように走っていました。そこから練習に入る流れでした。

毎日、練習前に10キロ走る事を想像しただけで、私はついていけないです。
サッカーを通して、小嶺監督から何を学びましたか?

「謙虚さ」です。
あと、走ることで精神面も鍛えられました。複雑な戦略などではなくてシンプルに体力面や精神面を強くするということを小嶺監督に教えて頂きました。

高校生活もサッカー漬けだったんですね。ファッションへの興味はどうだったんですか?

サッカーは3年生の高総体で終わりました。大学に行ってサッカーを続けようとはその時はもう思っていませんでした。別の道に進みたいと考えるようになっていました。


大学はどちらに進学をして何をしたのですか?

大学はそのまま附属の長崎総合科学大学に進学しました。しかし、1年生で辞めました。自分のやりたいことがあったのでこのまま長崎にいても意味がないなと思っていました。

大学を退学されて何を始めるんですか?

長崎のラーメン屋さんでバイトをしてお金を貯めました。
そしてファンションを勉強したかったので東京にある文化服装学院に進学しました。20歳から4年間、服のデザインや縫製のことなども学びました。
アパレルへの道を選択し東京へ上京。

東京で初めての一人暮らしが始まるんですね。

そうですね。アルバイトも色々とやりながら学校の課題に追われる日々でした。

その当時は、野口さん自身は起業するような目標はなかったんですか?

その時は考えていなかったです。

就職は順調に決まったんですか?

新人から企画ができる会社に入りたかったので企業は絞って就活をしました。特に入りたかった企業から内定を頂けて嬉しかったです。

入社してまず何をしたんですか?

私が就職した会社はオーダースーツの会社に入社し営業部に配属されました。営業なので特に結果を求められました。

営業職だと、野口さんが本来したい仕事の内容とは違ったのでは?

営業といっても自分でお客さんを見つけ、採寸、パターンを起こし工場に発注する仕事だったので楽しかったです。お客様も法人から個人の方まで対応していました。スーツにこだわる方が多く、お客様の層としては経営者の方が多かったです。


その会社では何年ほど働いたんですか?

3年間勤めました。入社2年目から独立を考え準備を始めました。独立して思うことは営業を経験して良かったなということです。
オーダースーツ専門の会社を起業。コロナ禍でピンチを救ってくれたBIG BOSS

27歳で独立されたんですね。独立は東京でされたんですか?

東京で独立しました。独立してすぐにコロナが流行したため営業ができず貯めていた創業資金もすぐに底をついてしまいましたね。

独立してすぐにコロナになったのは辛いですね。その状況から経営は継続できたんですか?

知り合いの大きな会社の副社長さんが声をかけて頂いてスーツを作ることになり、本当に助かりました。

その副社長さんは神ですね!野口さんの人徳ですね。それからは経営状況は楽になりましたか?

それでも経営は大変でした。対面は難しいのでインスタグラムで営業活動をしました。その時にあの有名なBIG BOSSにダメもとでDMを送ってみたんです。そしたらご本人から「日本に帰ってきた時にスーツを作るよ」と返信を頂きました。

BIG BOSSとは?もしかして某プロ野球チームの監督をされている方ですか?

はい!あの方です。ちなみに記者会見の時に着ていた襟が高いスーツは私は作っていません。
フランクな方でスーツの採寸の際にもご自宅に呼んでいただきました。
BIG BOSS以外に相撲協会の理事などのスーツも仕立てています。


野口さんの人脈に驚きました。コロナが落ち着き今は経営はどうですか?

今では有難いことに紹介で多くのお客様と繋がりました。繋がりだけで数えると1,500人以上のお客様がいらっしゃいます。
grace3を兄弟で経営。多くの人に陶器に触れ、楽しんでほしい。


ところで、何がきっかけで長崎の実家であるこのお店をリニューアルして、ご兄弟で経営されることになったんですか?

ちょうど1年前に家族が集まるタイミングがあって陶器を使った新しい提案の仕方がないかと話し合ったんです。もっと陶器の良さを知って楽しんでほしいということでした。
次男の皓州がとても器用なので塗装や什器を作り、三男の大元がカフェで働いていた経験を生かし料理を担当しています。


三兄弟それぞれの役割があるんですね。カフェと陶器のお店ということで若い方が陶器に触れるきっかけが増えたのではないですか?

そうですね。カフェに立ち寄ったことをきっかけに陶器に興味を持って頂けていると感じています。このお店は陶器をメインとしたカフェなので料理はもちろん陶器を楽しんでいただけるようにしたいです。



おしゃれなカフェで陶器もかわいいので、若い人に知ってほしいですね。
最後に、野口さんが今後計画していることを教えてください。

現在私は、東京と長崎を行き来していますが、長崎により力を入れてgrace3をもっと盛り上げたいです。東京のオーダースーツの会社もしっかり続けていこうと思います。そしてgrace3でもアパレルの販売をしたいなと考えています。
今後のビジョンとしては兄弟がそれぞれやりたいこともあるので、最終的には衣・食・住を融合したお店にしていきたいと考えています。
この野口陶器店がずっと続くように今後も頑張っていきます。
まとめ
野口恵央さんとの出会いは、私がたまたまお店(grace3)に入って休憩している時にお声を掛けさせて頂いたことです。兄弟3人でお店の経営をしているとお聞きし、野口さんの人生を深掘りしたいと思いました。
サッカーとファッションが野口さんの人生に大きな影響を与えていると感じました。名将・小嶺監督の教えでもある「謙虚さ」が、野口さんにしっかり刻み込まれていることが伝わってきます。野口さんの人柄に多くの方が惹きつけられているのではないでしょうか。
また、ご兄弟の皓州さんと大元さんもとても笑顔が優しく、お店の雰囲気を癒しの空間に変えていると思います。
陶器を大事に思う野口さん三兄弟がこれから仕掛けるお店づくりを、とても楽しみにしています。是非、読者の皆様もgrace3に立ち寄って食事や陶器に触れてみてはいかがでしょうか。