ファ~!この雲仙グリーンロードっていつ通っても最高だね。最高のドライブルートじゃない?
緑がいっぱいで、開けて明るい雰囲気がいいよね。僕もこの道好きだよ。
そしてこの、グリーンロードを左折して島原の城下町に下る緩やかな坂道の風景が…最高だよっ。
まちの向こうに海が広がってさらに明度が増す感じ!毎回、城下町への左折がグッとくるんだよね。
今日訪ねるインターン生も、この風景見たのかな。まだなら教えてあげたい。
インターンって、どんな感じなんだろうね。にゃこはまだしたことないからなぁ。
インターンをしようと思った理由や、きっかけも聞いてみたいな。
風光明媚な水路のそば、武家屋敷がオフィス!
ちょっと…こんなところにほんとにオフィスあるの?観光地なんじゃないの?
ほんとだね。よりによって、結婚写真の前撮りしてるしー!!
すみません、学生と猫が映り込んじゃって…早く退けます。
あっ!あった!INTERMEDIAって書いてある!純和風の家なのに、ローマ字の表札の新鮮味!
おしゃれ~!
なんか、家みたいだなぁ。お、おじゃましまーす。
いらっしゃーい。待ってましたよ。迷いませんでした?
迷いました。いや、物理的に迷っていたわけではないのですが、あまりに風光明媚な場所で、ナビを疑いました。
心が…迷いました!
笑。インターメディアの武家屋敷オフィスへようこそ!
[インターン見学した企業]
株式会社 INTERMEDIA
全国から多くのインターン生を受け入れてきた建築設計事務所。小さなものから大きなものまで、場所や使い方、時代、人が適している形を規模に関係なく手がける。
ミライon図書館(大村市)や、愛宕保育園(長崎市)、島原市役所(島原市)、DSBranch(長崎市)、uminoわ(東彼杵町)などを手がける。その実績で、多くの学生がインターンを希望、そのまま移住し就職した方も。
YOUは何しにインターメディアへ?
こんにちは。僕たち、インターン未経験の大学生です。今日はインターンについて知りたくて見学にきました。
建築士の佐々木翔です。よろしくお願いします!早速インターンの二人を紹介しますね!
こんにちはー。
平岡さん(北九州出身)
麻生専門学校
〈将来の夢〉建築士になること
〈期間〉2週間(本日2日目)
山口さん(長崎出身)
広島工業大学大学院
〈将来の夢〉建築家、街のコンサルまちづくりのプロフェッショナルなど、いろんなことをやってみたい
〈期間〉2週間(本日3日目)
よろしくお願いします!早速ですが、インターメディアをインターン先に選んだ理由を教えてください。
何人かの建築士の方が集まるトークショーが福岡で開かれたのですが、翔さん(佐々木さん)の建築のプロセスについての話が面白かったんです。
他建築士の方のお話も聞けたのですが、一番スッと入ってきたというか…。「佐々木翔さんに触れてみたい!」という思いでやってきました。
翔さんに触れてみたいっ・・・・・!!こ、告白?!
嬉しいですね〜。笑
本当は去年来たかったんですが、学校のスケジュールが調整できずに断念。今年は2週間の時間を確保して島原までやってきました。念願のインターンです!
よかったですね!なんだか羨ましいな、どうしても行きたいインターン希望先があるって。
山口さんはどんなきっかけだったんですか?
わたしは、風土や街並みと建築の関係に関心がありまして…。インターメディアさんの愛宕保育園の設計は、階段を登りながら子どもたちがはしゃいだり、先生たちとお話をできたりします。その様子は、長崎のまちの階段の踊り場やベンチで、お年寄りが休憩したり和んだりしている風景とリンクします。
お年寄りではなく子ども達ですが、同じような風景を建物の中に作っているのが印象的だったんです。外に出たら、同じような風景が広がっているのがいいなと思いました。インターメディアさんのHPをチェックしていたらインターンシップの情報を知り、すぐに応募しました。
山口さんも、インターメディアさんの仕事を知って、ここだ!と思われたということなんですね。インターン情報ってひっそりとアップされてるって聞いたこともあるから、関心のある会社のHPはこまめにチェックした方が良さそうですね。
いろんな建築事務所がある中で、お二人とも「ここがいい!」っていうことで来られているのがいいよね。
ちなみに、インターン生としてどんなことをしているんですか?
まだ2日目ですが、模型作りです。模型を作るには過去の図面を読み込む必要があるのですが、その説明を聞くことが学びです。物件の過去の事例も聞くことができ、2日目ですがとてもためになっています。
また、地域や会社によって設計へのプロセスが違うのだということを実感しています。
まだ3日目ですが、僕も模型作りです。今日は壁を建てて家具を作りました。僕の大学ではデジタルファブリケーション(3Dで図面を作成すること)が流行っているのですが、実は疑問もあって…。3Dで観るだけでは気づかないことがあると思うんです。実際に建つ姿を観れるのはワクワクするし、3Dに比べて模型の持つ情報は違うと思うんです。意見交換もしやすいですよね。
変な形の建築も建てられる時代になったけど、アナログ的なものも大事だなと思います。実際の建築の模型を作るのはとても勉強になります!
お二人とも模型づくりをされているんですね。
佐々木さん、建築家を目指すにあたって模型作りって大切なことなんですか?
インターン生にとっては、模型やCGは取り掛かりやすいと思います。
個人的には、3Dなどの技術もある中で「立体物がないと得難い情報」があると思っています。模型があると気づくことが多いんです。
施主様にも、3Dデータで見ていただくよりは模型で共有することで、その場に立つイメージが一気に進んでコミュニケーションが図れるんです。人は、まだ今は3Dよりも模型から読み取れる能力が高いと考えています。
3Dデータがいちばんイメージが湧くというところまで人は進化していないのではないでしょうか。
確かに、建築のプロじゃない人にとっては、模型の方がイメージしやすいと思う!
あと、模型を「どうだ!」「バーン!」って出されたら、テンションあがるよね。
にゃこちゃん、まさに施主さまもそうなんです。模型を見られた時は「わぁ」と喜ばれ、イメージが湧いてこられる雰囲気が伝わってきます。
ですよね。
インターン生にもこの経験をしてもらいたいなぁと思っています。「なぜ模型を作るのか」の理由がわかると、ひたすら模型を作る中でも、目的や意義が感じられれば、意識を変えて取り組めます。「これって必要なのかなぁ」ともやもやしていたことがクリアになります。僕もそうでした。
インターンに参加してよかったことを知りたい!
お二人ともインターメディアさんがいい!っていう意思を持ってインターンをされているわけですが、特によかったと思うことを教えてください。
学校でも図面は引きますが、依頼主がいるわけではないので実際に建てられないですし、全て想像でやっていきます。
でも、ここでは全て実際に建つ建物の話をしているわけで、電話でお話されている内容や、お客様が要望されることなど実務的なことが知れるのがありがたいです。
そっか〜、イマジンの世界なんですね。試しに建ててみました!なんてことはできないのか…すごくハッとした!
お客様とのやりとりも、学校では学べないことだね。
山口さんはどうですか?
ここにいる皆さんと話ができるというのが、僕としては一番来て良かったなと思います。経緯や裏話などを聞くのも特別感があって楽しいです。
裏話っていう響きがいいよね。この場にいないとわからないことがあるから特別感があるのわかる〜
ちょっとした電話の会話が聞こえてくるのだけでも新鮮なんですね。お二人の話を聞いていたら、インターン、した方がいい!って思ってきました!
関係ない話もしようじゃないか!
関係のない話ができるのも魅力です。昨日は、サウナの話を1時間くらいしていただきました。
サウナ?
いえ、ただ単にサウナ好きのメンバーがいまして…
僕たちサウナが大好きで!中でも島原市のサウナを贔屓にしています。
むしろ、島原市でしか活動していないんですけどね。
「整う」がどういうことなのかや、インフィニティチェアの魅力を語っていました。ちなみに、まだまだ話せます。
伝わりましたか?
すみません、伝わらな…
いえ、自分、猫なんでサウナ入れないんです!
残念。ぜひにゃこちゃんにも楽しんでもらいたいなぁ。
平岡さんは初日がサウナの話だったってことだよね。
僕はサウナーなんで楽しかったです!
そうですか。いろんな意味でここにインターンに来てよかったねっ!
インターメディアがインターン生を受け入れている理由。
インターメディアさんがインターンを募集する理由はなんですか?
かつて自分自身がインターンで得難い経験をさせてもらったからです。かつてそんな機会をくれた事務所のように、うちも開きたいと思っているんです。これまで約100名のインターン生を受け入れてきました。
「学生」という身分だからこそ、興味がある人に会いに行きやすいし、いろいろ手伝わせてもらえる。本質も見せてもらえます。全て学びになります。大分も行きましたし、北海道には2ヶ月いました。前職も1ヶ月のインターンがきっかけで入社したんですよ。
離れた場所にわざわざ行って、体験する。アナログだけど、いまだにとても大事なことだと思っています。直接会話をすることで、お互いにとって近い関係を作りやすいと思います。
佐々木さんもインターンをされたんですね。受け入れる側にとっていいことはあるんですか?
キャリアを積むごとに学生から年齢が離れていくので、学生がどういうことに興味があってどんなふうに動いているのかを学ばせてもらっています。
ここは都市的な場所ではないので、若い世代の方が多いとは言えません。だから、インターンの皆さんと日々コミュニケーションがはかれるのはありがたいです。
そんなふうに思ってもらえるんですね。インターン受け入れが難しいケースもあるんですか?
うちの事務所は基本的にくるもの拒まずで受け入れていますが、ただあまりに期間が短いとプロジェクトの全貌を感じられなかったり、大事な場面を1つも経験できないので、1週間以上~2週間を推奨して受け入れています。
インターメディアがインターン生に学んでほしいこと
- 仕事のリアリティ
- 作り散らかすこと(考え散らかすこと)
- 働き方
- 地域との関わり方
- 社内コミュニケーションのあり方
基本的には、今進んでいるプロジェクトに深く関わってもらいたいです。ラボ的なことは学生でもできますが、現場を見に行ったり、施主様の声を聞いたりできるのはインターンならではです。
学校ではリアリティがないんです。だからこの仕事をするリアルなイメージを描けるインターンシップの機会を活用していただきたいですね。
オフィスが武家屋敷ですし(笑)、働き方も一般的なサラリーマンのイメージからは遠いと思います。外から見てもこの雰囲気まではわからないと思います。
働き方、周りの環境、地域との関わり方、地域の見方など都市的じゃない場所でどう働くかを体験できるのはこの環境に身を置くしかありません。技術的なことだけでなく、こうしたことも学んでいただければ、感じていただければと思っています。
他に、お二人に感じてもらいたいことはありますか?
そうですね…。島原まで来てくださったからには、このまちのよさや自然も知っていただきたいです。熊本と近いこと、かんざらしが美味しいこと。かつて高熱の火砕流で焼けた山肌の緑が蘇っていく様。どこにいても30分で温泉にアクセスできる島原半島。いろいろあります。
もうひとつ、ここにはついでに立ち寄る方は少なくて、わざわざ訪ねてくる場所です。だからこそ築ける関係もあります。あと、刺激が少ないからこそ、自分と向き合えています。悪く言えば閉じているのかもしれませんが、きちんと自分や今の状況に向き合える環境だと思います!
今日ここまでお話を聞いていて感じたのですが、ただ設計して建てるのではなく、まちやまちなみ、まちの歴史を知るのも建築には欠かせなさそうだなぁと思いました。
はい。そうなんです。武家屋敷をオフィスにしているのもそういう思いもあってこそです。でも実は、この武家屋敷の事務所、引っ越すんです!
えー!!!近代的オフィスに移るんですか?
いえ、アーケード沿いの古民家に引っ越すことになりました。古民家を活用し、宿泊、カフェ、事務所を構えて運営していくことになったんです。
むしろ、島原のまちにもっと溶け込んでいくんですね!
そうなんです。建築の先の使い方の提案までしていきたいんです。今その準備の真っ最中なんですよ。
それで、わたしが女将的役割をします。「水脈」とかいて「みお」と読みます。できたら遊びにいらしてくださいね。
南里さん、いきなり~!
島原が湧水のまち。日常にかなり密着していて、現オフィスの中でも3箇所湧いてるところがあります。
散歩しながら2リットルの水を汲んで飲む、みたいな。水汲み場でコミュニティが形成されていたりするんですよ。山の恵みから水が来て、暮らしで使われて海に流れ、水蒸気になって…循環している。そんな循環を生む場所になりたいです
素敵〜。なんというか、湧水を囲む循環のかたちが、水脈でも再現される感じがかっこい!
長崎の階段の踊り場の風景を取り込んだ保育園の設計と同じように、インターメディアの皆さんはそのまちの風景や、地域との関わりを大切にしているんだね!
インターンシップ、できるならした方がいい!
お二人はインターンシップの後はどうするんですか?
地域や事務所によって仕事のやり方や考え方も違うと思うので、今のうちにもっとインターンを経験したいと思います。
とてもいいことだと思います。
僕は、広義的にまちづくりに関わりたいと思っています。建築だけではなく、いろいろと。
そういう意味ではインターメディアさんでのインターンはとっても意味がありそうですね。
そして別れの時。
みなさん、今日はありがとうございました。業界や業種は違っても、同じようなメリットが得られそうだなぁとイメージができました。
インターンシップ、参加してみようと思います!そして、仕事と関係のないサウナの話とかもしたいと思います!
いつでも遊びに来てくださいね。次回は水脈でお待ちしています!
またね~!
株式会社 INTERMEDIA
[本社]長崎県島原市有明町湯江甲263
[武家屋敷オフィス]長崎県島原市下の丁1988
TEL:0957 65 9020